ユーザビリティ【Usability】
……便利で使いやすいこと。

■はじめに

ウェブ・ユーザビリティが注目される理由:
表示された瞬間にそのサイトの使い方が分からないと、時間を費やす価値がないと判断し、ユーザーは別のサイトへと去っていく。

インターネット、特にECの社会では「財布のひもを緩める以前に、ユーザビリティありき」という法則を覚えておこう。

ユーザーの立場で考える:
多くのウェブデザイナーはユーザビリティを無視して、ユーザーのニーズに従うのではなく、自分の欲求や上司のご機嫌取りのためにサイトをデザインしようと考えている。

間違ったウェブデザインは禁物:
ウェブサイトは単一のインターフェイスを持つようデザインしなくてはいけない。

まとめ:自己満足なサイトや、企業の構造を反映したサイトをつくり上げるのではなく、ユーザーの作業・ユーザーの視点を考えたサイト構造が望まれる。

■ページデザイン

ページの陣取り合戦:
ウェブページは見る人の興味を引くコンテンツで占められるべきである。

すべてのデザイン要素を詳細に検討し、1つずつ要素を削っていくこと。どうしても必要なデザイン要素でない限り、外してしまう。まさに「シンプル・イズ・ベスト」と覚えておく。

応答時間:
ユーザーが求めるのは、奇抜なデザインよりも「ページをより速く表示できること」。

まとめ:
「シンプル」がページデザインの最終目標である。サイトのデザイン自体を楽しむために訪れるユーザーはめったにいない。コンテンツが見たいのだ。

■コンテンツデザイン

ウェブのライティング手法:
文章の量は、印刷用の文章を書くときの50%以下になるよう、簡潔に。
新しいページを見るときに79%のユーザーが斜め読みをしており、すべての文章を読むユーザーはほんのわずかしかいない。

見出しを考える:
気取った見出しより内容のわかる見出しを付ける。本文を読まなければ内容がわからないようでは見出しの意味がない。
見出しはコンテンツのごく短い概要となるべきである。わかりやすい用語を使うこと。

可読性:
文字色とその背景色はコントラストを強めること。理想は白い背景に黒い文字。

まとめ:
最も重要な要因2つ、「上質なコンテンツ」と「ユーザーが、望むページを見つけられるかどうか」

■サイトデザイン

トップページ:
トップで提供すべき3つの機能
・サイトの主な内容の一覧
・重要な最新情報の要約
・検索機能

初めてのユーザーには「このサイトは何をしているの?」という問いに答えられるページに。
リピーターにとってはナビゲーションへの入り口になることが重要な課題。

サイトを訪れるほとんどの人は、具体的にやりたいことがある。このサイト自体に何が起こっているかをチェックするためにわざわざ見に来る人はめったにいない。したがって、ニュースはある程度制限して、広い範囲をナビゲーションに使うのがトップページの正しいあり方である。ただし、「何か新しいニュースはないか」という場合が多いニュースサイトなどは例外である。

検索機能:
半数をわずかに超えるユーザーが検索優先型であり、5分の1のユーザーがリンク優先型、残りは検索・リンクの両方を使うミックス型。よって、検索機能はすべてのページで使えるようにしておくべき。

まとめ:
会社の内部的なニーズではなく、顧客のニーズに合せたインフォメーション構造を基盤にすることが必要である。

■シンプル・イズ・ベスト

HOME:
ウェブサイトを成功に導くには、何度も戻ってきてくれる誠実な顧客、つまり「リピーター」を確保すること。
サイトの訪問者がリピーターになる主な理由は、つぎの4つ。この4つはユーザーが最ものぞむことであり、優れたウェブデザインの基礎となる。

High-quality content(上質なコンテンツ)
Often updated(繁盛な更新)
Minimal download time(最小限の待ち時間)
Ease of use(使いやすさ)

この4つの頭文字をとって「HOME」と呼ぶ。

※参考文献
Jakob Nielsen 1999 Designing Web Usability : The Practice of Simplicity